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80年代ヲタク補完計画

(ああ、かなり長文なんで、読みたい人だけ読んで)

出社後すぐに"長官"室に来るようにとの伝言があった。
またいったいどのモジュール設計に欠陥がでたんだろう、45階に上がるエレベーターの中でここ一週間の作業を振り返りながら、彼のオフィスのドアを叩いた。
彼のオフィスに入ると、まっさきに目についたのはソファに座っている少女だ。いや、美少女型ロボット、ヲタク完全体MOET6500である。研究所にあることは知っていたが、実物を見たのははじめてだた。
"長官"、正式な役職はバイスプレジデント。第三セクターの当社に来ている官の連中は、どれも肩書きばかり長く、そのくせほとんど会社に出社することはなかった。しかし長官だけは違った。過去については深く語らないが、軍に関する組織の中の敏腕な指揮官だったが、きっぱり前の仕事から手を引き、いまはこの企業に文字通り命を捧げている。彼の威厳ある風格から、いつからか『長官』と呼ばれるようになっていた。

「完全体について説明はいらないと思う。」
そう、現存する大陸の7割の運命を握る、とも言われているヲタク完全体。彼女の完成こそが、この企業のミッションであり、地球環境的プロジェクトでもある。
だが彼女の目はつぶられたまま、じっとしている。よく見れば、呼吸をしているのか胸が静かに上下し、安らかに眠っているようにも見える。

「彼女の機能の98%までが停止した」
「どういうことですかっ まだ未完ながらも試験ではほぼフルスペックの性能をだしていたと聞いていましたが」
「理由はわからないのだが、この一週間の間に彼女の中の、1980年代のヲタクとしての自信が揺らいでいる。」
「ヲタクとしての自信?」
「彼女がなぜ完全体と呼ばれるかわかるかね?」
「彼女が全世界のヲタクの集積だから?」
「そうじゃない、彼女が自分がヲタクであることを自覚し、また自身でそれを証明できるからだ」
正直このあたりのメタモデルの話はエンジニアの自分には理解が難しい。長官も長く説明することは避け、本題に入った。
「そこで君に新しいプロジェクトマネージャーを命じる。このMOET6500といっしょに暮らし、彼女の1980年代を取り戻すことだ」
「いっしょに暮らす?! 80年代を取り戻す? しかもなぜボクが」
「適任だから、と今は答えておこう。いずれ時間をとってゆっくり話するもりだ。昨日までの仕事はすでに大和田くんに引き継いである。今日はこのまま彼女を連れて家に向かってくれ。」


彼女は移動が終わると、またソファにぐったり横になり、それ以上は動こうとしなかった。

ボクは彼女がすこし回復するまで、自分のミッションについて考えた。80年代のヲタク感性を失っているといわれても、80年代的ヲタクを回復するにはどうなっていればいいのか? そもそも80年代的ヲタクとはなにか、それさえもボクには皆目わからないからだ。
「90年代、00年代的なヲタク要素と、70年代ヲタク的要素をつないだところに80年代がある。」
ボクは90年代的ヲタク・オブジェクトをリストアップする。
パソコン、ネクラ、コミケ、TVゲーム、エロゲ、アニメ、フィギュア、収集癖・・・・
これらが80年代においてどんな位置づけだったのか、検証していけばなにか糸口がつかめるんじゃないか? まずは「パソコン」から始めるか、ネットで検索しようとしたところで彼女が起き上がった。

(つづくかつづかないかわからない)


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